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※妄想による二次創作です。ご注意ください。
※「郷巡り編」も造語です。何かと被っても偶然です。
※初めての方はパラグラフ001からどうぞ。
「……で、なぜ俺は縛られているんだ?」
「何を言っているんですの圭一さん! 完全にイカサマじゃありませんの!!!」
「圭一君、流石にロイヤルストレートフラッシュはやりすぎかな」
長くポーカーをやっていれば、ロイヤルストレートフラッシュが起きることはあるかも知れない。
しかし、それを勝負所に持ってこれるのは、豪運の勝負師かイカサマだけである。
圭一さんに豪運は無いのは周知の事実。となれば、イカサマをしたのは自明である。
部員たちもざわついている。
「部長がイカサマをするなんて初めて!」
「ロイヤルストレートフラッシュなんて凄いね! いつ仕込んだのか気づかなかったよ!」
「せめてフルハウスの上役くらいまでだよね」
「あの縛られ方なんて言うのー?」
魅音さんが卒業してからは、「イカサマをしないクリーンな部長」で通って来た圭一さんがイカサマをした。
「なぜイカサマなんてしたんですの? そんなにわたくしに罰ゲームをさせたかったんですの?」
「黙秘する!」
「圭一君、正直に言いなよ。ちゃんと沙都子ちゃんに言った方が良いよ」
「だが断る!」
「わかったよ! じゃあ、アレをするね。ほら、沙都子ちゃんも手伝って!」
「アレ? アレですの!? 今の圭一さんには耐えられませんわね! 任せてくださいませ」
「おい! アレってなんだ!? あーっひゃっひゃっひゃー!!! あー!!! ぐほー!!! ひー! やめてー! そこはー! ……」
久しぶりの圭一さんへのくすぐり地獄であった。
10分後。
「わかった……。しゃべる……。たす……けて……。かゆ……うま……」
「まだボケる余裕があるようでございますけど、とにかく言ってみなさいませ」
「沙都子がさ、ずっと落ち込んでたろ。だから元気を出して欲しくて……」
「え? わたくしのために!?」
圭一さんの後ろでレナさんがニコニコしている。レナさんは知っていた?
「イカサマをしてでも勝つという、熱い勝負魂を思い出して欲しくて……」
「圭一さん……」
圭一さんが私なんかのために考えてくれていたなんて……。
「わかってくれたか沙都子」
感動的な雰囲気がしばらく続いた後、レナさんがニコニコしながら確認する。
「圭一君、まだあるよね?」
「う……。あ……あわよくば、沙都子に首輪付き猫耳スク水メイド妹……」
「圭一さーん!!!!!」
「うわー、やめてー!」
圭一さんは、私を力づけるために汚名を被ってでもイカサマをした。勝利のためには何でもする。部活の心得を体現する部長。すぐエロくなるのは玉に瑕だけど。
なんだか少し、世界が暖かくなった気がする。
→ 016へ行け(まだよ)
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