オリジナルゲームブック ひぐらしのなく頃に業卒 郷巡り編 パラグラフ013

 ※妄想による二次創作です。ご注意ください。

 ※「郷巡り編」も造語です。何かと被っても偶然です。

 ※初めての方はパラグラフ001からどうぞ。



 「……で、なぜ俺は縛られているんだ?」

 「何を言っているんですの圭一さん! 完全にイカサマじゃありませんの!!!」

 「圭一君、流石にロイヤルストレートフラッシュはやりすぎかな」


 長くポーカーをやっていれば、ロイヤルストレートフラッシュが起きることはあるかも知れない。

 しかし、それを勝負所に持ってこれるのは、豪運の勝負師かイカサマだけである。

 圭一さんに豪運は無いのは周知の事実。となれば、イカサマをしたのは自明である。


 部員たちもざわついている。

 「部長がイカサマをするなんて初めて!」

 「ロイヤルストレートフラッシュなんて凄いね! いつ仕込んだのか気づかなかったよ!」

 「せめてフルハウスの上役くらいまでだよね」

 「あの縛られ方なんて言うのー?」


 魅音さんが卒業してからは、「イカサマをしないクリーンな部長」で通って来た圭一さんがイカサマをした。


 「なぜイカサマなんてしたんですの? そんなにわたくしに罰ゲームをさせたかったんですの?」

 「黙秘する!」

 「圭一君、正直に言いなよ。ちゃんと沙都子ちゃんに言った方が良いよ」

 「だが断る!」

 「わかったよ! じゃあ、アレをするね。ほら、沙都子ちゃんも手伝って!」 

 「アレ? アレですの!? 今の圭一さんには耐えられませんわね! 任せてくださいませ」

 「おい! アレってなんだ!? あーっひゃっひゃっひゃー!!! あー!!! ぐほー!!! ひー! やめてー! そこはー! ……」

 久しぶりの圭一さんへのくすぐり地獄であった。


 10分後。


 「わかった……。しゃべる……。たす……けて……。かゆ……うま……」

 「まだボケる余裕があるようでございますけど、とにかく言ってみなさいませ」


 「沙都子がさ、ずっと落ち込んでたろ。だから元気を出して欲しくて……」

 「え? わたくしのために!?」

 圭一さんの後ろでレナさんがニコニコしている。レナさんは知っていた?


 「イカサマをしてでも勝つという、熱い勝負魂を思い出して欲しくて……」

 「圭一さん……」

 圭一さんが私なんかのために考えてくれていたなんて……。

 「わかってくれたか沙都子」


 感動的な雰囲気がしばらく続いた後、レナさんがニコニコしながら確認する。

 「圭一君、まだあるよね?」

 「う……。あ……あわよくば、沙都子に首輪付き猫耳スク水メイド妹……」

 「圭一さーん!!!!!」

 「うわー、やめてー!」


 圭一さんは、私を力づけるために汚名を被ってでもイカサマをした。勝利のためには何でもする。部活の心得を体現する部長。すぐエロくなるのは玉に瑕だけど。


 なんだか少し、世界が暖かくなった気がする。


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