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※妄想による二次創作です。ご注意ください。
※「郷巡り編」も造語です。何かと被っても偶然です。
※初めての方はパラグラフ001からどうぞ。
「嘘……ですの。監督のつまらない冗談には引っ掛かりませんのよ。おーほっほっほ!」
そうは言ったものの、入江の口調から、梨花が死んだことに嘘が無いことは明らかだった。梨花が……事故で……。
「沙都子ちゃん……」
「冗談と言ってくださいませ……」
それからの日々はよく覚えていない。
学校は登校拒否した。梨花が帰ってこないなら、もう高校を卒業する必要もない。
食事も拒否した。梨花が帰ってこないから、もう食べる必要もない。
しかし、そちら実行できなかった。
「ほーら、今日は特製カレーですよー! お姉のよりもおいしいです!」
たびたび詩音さんがやってきては、料理をして作り置きを置いて帰る。いくら私が断っても話を聞かない詩音さん。
「まったく、よく飽きもせず来ます事。わたくしの方が飽きれましたわ」
「沙都子は成長期ですからね! 毎日三食たっぷり食べないといけません」
詩音さんの作ったカレーをもそもそと口に運ぶ。おいしい。食べたくないのに全部食べてしまう……。
「じゃあ、今日は帰りますね。明日のおかずも冷蔵庫に入れてありますから、ちゃんと食べるんですよー!」
私が詩音さんの作った食べ物を捨てられないことを知ってか、隙間なく食事を作り置きしてくる詩音さん。
時々レナさんや魅音さんも来るが、詩音さんの図々しさと言ったら……。
時が過ぎ、今夜は大雪。凄い降り方で、心なしか柱がギシギシ言っている気がする。
真っ白な雪。私の心にも積もって、梨花がいなくなったことを忘れさせてくれないかな。
今日はそろそろ寝よう……。
「ギシッ」
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